Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Leggi 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 264.133 caratteri · 524 schermate
「袖切坂がどうしたって」
「ここがその袖切坂なんだろうじゃないか、ところもあろうに、あんまりばかばかしい」
「そりゃ木鼠も木から落っこちることがある、転んだところで怪我さえしなけりゃなあ」
「怪我もちっとばかりしているようだよ、向う脛がヒリヒリ痛み出した」
と言ってお角は、紙を取り出して左の足の膝頭を拭くと、ベッタリと血がついていました。
「やあ血が!」
米友も、その血に驚かされると、お角は、
「怪我なんぞは知れたことだけれど、袖切坂で転んだのが、わたしは腹が立つ」
お角は、よくよくここで転んだのが癪で堪らないらしい。
袖切坂を登ってしまうと行手に大菩薩峠の山が見えます、いわゆる大菩薩嶺であります。標高千四百五十米突の大菩薩嶺を左にしては、小金沢、天目山、笹子峠がつづきます。それをまた右にしては鶏冠山、牛王院山、雁坂峠、甲武信ヶ岳であります。
素足で坂を登りきったお角は――坂といっても袖切坂はホンのダラダラ坂で、たいした坂でないことは前に申す通りです。そこで、お角は米友を顧みて、
「友さん」
と米友の名を呼びました。
「よく覚えておきなさい、この坂の名は袖切坂というのだから」