Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Leggi 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 264.133 caratteri · 524 schermate
お角の焦れったがる面と言葉とを、米友は怪訝な面をして見たり聞いたりしていました。
「人間だから、根が生えているわけではねえ、転んだところでどうもこれ仕方がねえ」
米友はこう言いました。
「あんまりばかばかしいから、わたしは片袖なんぞを切りゃしない。この坂へ来ては子供だって転んだもののあるという話を聞かないのに、いい年をしたわたしが……坂の真中でひっくり返って、おまけにこの通り御念入りに創までつけられて……」
膝頭の創が痛むのか、お角はそこへ手をやって押えてみましたが、
「友さん、わたしがここで転んだということを、誰にも言っちゃいけないよ」
「うむ」
「言うと承知しないよ」
「うむ」
「けれどもお前はきっと言うよ、お前の口からこのことがばれるにきまっているよ。もしそういうことがあった時は、わたしはお前をただは置かない……ただは置かないと言っても、わたしよりお前の方が強いんだから……してみると、わたしはいつかお前の手にかかって殺される時があるんだろう、どうもそう思われてならない」
「何、何を言ってるんだ」
「転んだところを見た人と見られた人が、もし間違っても男と女であった時は、どっちかその片一方が片一方の命を取るんですとさ」