Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Leggi 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 264.133 caratteri · 524 schermate
今日の流鏑馬は、官民合同とはいうようなものの官僚側の主催のようなものだから、そんなに折助に憚るところはないのだけれど、それでも彼等のために、桟敷下のかなり見よいところを世話役が割いてくれました。
酒樽と煮しめとをたくさんに仕込んで、八日市の酒場を繰出したこれらの折助の一隊何十人は、ほどなく馬場へ繰込んで、この桟敷下へ陣取りました。ここで彼等のうちの批評家と皮肉屋は何か見つけて、腹をえぐるような、胸の透くような文句を浴びせかけてやろうと待ちかねています。
生憎のこと――世話役が少し気が利かなかった、この折助席の向うは、例の赤い雛壇の婦人席の桟敷でありました。その間はかなり隔たっていたけれども、少なくともそれと相対していることは、折助連の批評と皮肉のためによい標的であって、その標的に置かれた善良なる婦人たちのためには、実に不幸なことでありました。
折助がこの席に着いた時分は、駒井能登守はもう着座していた後のことであって、折助は、桟敷下の蓆の上へ胡坐をかいて、人集りの模様には頓着なく、まず酒樽の酒を片口へうつして、それを茶碗へさして廻り、そこから蒟蒻や油揚や芋の煮しめの経木皮包を拡げ、冷でその酒を飲み廻し、煮しめを摘みながら、おもむろに桟敷から桟敷、見物から見物を見廻すのであります。