Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Leggi 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 264.133 caratteri · 524 schermate
この時は、すべての催しが済んで花火が盛んに揚りました。崩れ立った人の足、帰りに向く人も、出かけて来た人も、そこで食い留められ、吸い寄せられて、押す、踏む、倒れる、泣く、叫ぶ、喧嘩ならぬところに喧嘩以上の動揺の起ることは免れないのであります。
喧嘩の起りはたった一人の仕業らしいが、その及ぼすところが怖ろしいと、心あるものはそれを憂えていました。
ここで青地錦の袋へ入れた刀を口に啣えて、裸体で荒れ狂っている片腕の男ががんりきの百蔵であることは申すまでもありません。
百蔵一人がエライわけではないけれど、百蔵一人のために大混乱を引起して、その大混乱が阿鼻叫喚の世界に変ろうとする時でありました。肝腎の百蔵はいつのまにか、群衆の頭を踏み越えて、蓆張りの見世物小屋の丸太を伝って屋根から屋根を逃げて行きます。
「野郎、逃がすな」
それと見た博徒や破落戸の連中は同じように丸太を足場にして、見世物小屋へ這い上って追っかけました。
それで下の騒ぎが上へうつったのと、役人たちの取鎮めとが効を奏して、下の方の動揺は鎮まりましたけれども、下の動揺が上へ登った時に、かえってことを一層の見物にしてしまいました。