Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Leggi 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 264.133 caratteri · 524 schermate
これから屋敷へ帰ろうとした神尾主膳もまた、この騒ぎを見物しないわけにはゆきません。主膳はその一類の者と共に馬場の下から、桟敷の上の舞台面を見上げているうちに、何に気がついたか、面を顰めて慌しく左右を顧み、
「小森殿、小森殿」
と呼びました。
エッサエッサという裸虫は両方から取詰めて、がんりきの百蔵は、正面をきって彼等を待ち受けるよりほかは身動きのならぬ立場に至ってしまいました。右の方は八幡宮の屋根までは距離が遠いし、前は馬場、後ろは控えの小屋、どちらへ向いても人が充満しきっています。
「野郎」
裸虫が一匹、飛びつきました。
「何をしやがる」
とがんりきは左の拳を固めて、眼と鼻の間を突くと、裸虫が仰向けに桟敷の上から突き落されました。
「この野郎」
つづいて飛びかかる裸虫、般若の面を背中に彫りかけてある裸虫。
「手前もか」
がんりきは平手でピシャリと横面を撲っておいて、足を飛ばして腹のところを蹴ると、これも真逆さまに転げ落ちる。
「野郎」
第三の裸虫。
「ふざけやがるな」
第四の裸虫。
「この野郎」
第五の裸虫。
「野郎、野郎」
第六の裸虫とそれ以下の裸虫。
屋根の上の裸虫は、おたがいにとって勝手でもあり不勝手でもありました。