Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Leggi 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 262.120 caratteri · 516 schermate
寝られないから、お君の病気の容態を見舞に行って気を紛らそうと廊下へ出ると、兵馬の部屋の中で、
「へえ、それはもうお買戻しになりまする節は、手前共にございまする間は、いつでも仰せに従いまする、また他の品とお取替えになりまする場合にも、せいぜい勉強致しまして、お使いを下さいますれば、早速お伺い申し上げまする」
と言っているのは、刀屋の番頭らしくあります。
それを耳にした時も、お松は胸を打たれました。それでは、大切のお腰の物をお放しなさる気になったのか、それほどお入用の金ならばわたしの手で……と思いましたけれども、実は、このごろの自分は、もう貯えのお金とても無いし、自分が持っていないのみならず、お君さんにも、また御老女様にも借金までしてある、その借金はみんな、よそながら、あの人の困る様子を見るに見兼ねて融通して上げたお金であるが、今のところ、返さなくてはならないというほどの義理があるのではないけれど、なるべく早く、なんとかして返して上げたいものだと思っているくらいだから、この上、あの人たちに無心ができるものではない。
といって、あの人が、みすみす武士の魂という腰の物までも手放そうとなさる今の場合、そのお力にもなれない自分の身の意気地のないことが思われてなりません。