Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Leggi 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 262.120 caratteri · 516 schermate
炭問屋の主人は、そこまで詮索してみようという気はありませんから、いつしか自分の案内知った房州話になってしまいました。
那古へ行くならば鋸山の日本寺へも参詣をするがよいとか、館山あたりへ行ってはどこの旅籠が親切で、土地の人気はこうだというようなことを、お角に向って細かに案内をしてくれるのであります。お角がそれを有難く聞いていると、ほかの乗合までが、それぞれ口を出して、炭問屋の主人の案内の足らざるを補うものもあるし、また突込んで質問をはじめる者も出て来ました。はじめはお角と炭問屋の主人だけの房州話であったのが、今はお角をさしおいて、最寄りの人たちが炭問屋の主人を中に置いての房州話となりました。
その話のうちで最も多く一座の興味を惹いたのは、鋸山の日本寺の千二百羅漢の話でありました。その千二百羅漢のうちには必ず自分の思う人に似た首がある。誰にも知られないようにその首を取って来て、ひそかに供養すると願い事が叶うという迷信から、近頃はしきりにあの羅漢様の首がなくなるという話が、誰やらの口から語り出されると、一座の興を湧かせます。
羅漢様の首を盗む者のうちには、妙齢の乙女もある。