Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Leggi 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 262.120 caratteri · 516 schermate
五
「いったい、あの火薬の製造所の秘密室らしい研究所に隠れているのは、あれは誰じゃ」
「南条殿、貴殿はあの人が誰であるかをまだ御存じないのか」
「知らん」
「それほど鋭いお目を持ちながら……とは言え、誰にも知れぬが道理、実は外から出入りする者は、拙者のほかにないのでござる」
「うむ、そうであろう、おれも長らくあの辺にうろついているが、ついぞその人を見たことがない」
「わかってみれば何でもないこと、あれはな、甲府におられた駒井能登守殿じゃ」
「エエ! 駒井甚三郎か、それとは知らなんだ、なるほど、駒井か、駒井ならばあすこに隠れていそうな人だわい、これで万事がよくのみこめる、そうか、そうか」
南条は幾度も頷きました。
「今も能登守殿の話に貴殿の噂が出たところ。貴殿ならば、隠れておられる能登守殿も喜んで会われることと思う」
「会ってみたい、そう聞いては今夜にも会ってみたい」
五
権現社頭から帰って来たのは駒井能登守であります。今は能登守でもなければ勤番の支配でもありません。一個の士人としては到底、世の中に立てなくなった日蔭者の甚三郎であります。
例の滝の川の火薬製造所の秘密室までは無事に帰って来て、真暗な室内の卓子の上を探って、その一端を押すと室内がパッと明るくなりました。