Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Leggi 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 262.120 caratteri · 516 schermate
「狼藉者、お供先を要撃する賊がある」
ときいた時は、米友の姿はもう見えません。
水瓜を並べて置いて、そのなかをみつくろって撲ったつもりで米友は、少しばかり溜飲を下げて、行列の崩れたのを後ろに、今度は群衆の足許を潜って元のところへ走り込むと、その梯子を横にして肩にかけ、銭受けの笊を腰に差し、
「ざまあ見やがれ」
と言って、一散にその場を走せ出しました。
「あれだ、あれだ、あれが行列へ無礼を加えた奴だ、狼藉者を取押えろ」
後ろから米友を、追いかけて来るものがあるようです。
「どっちが無礼で、どっちが狼藉なんだ、取押えろも出来がいいや」
米友はせせら笑いながら、それでも取押えられては詰らないと思って一散に逃げました。弥次馬というものは変なもので、今、鍋島様やら池田様やらのお通りへ無礼を加えたものがあって、それが逃げ出したと聞くと、纏まって米友をめあてに追蒐けて来るらしいのであります。それがために竹屋の渡しの方へ逃げようと思っていた米友は、伝法院の前に逃げ込んでその塀に突き当りました。弥次馬はワイワイ言って、あとから追いかけて来るもののようです。
そこで米友は、突き当った伝法院の塀へ、肩に引っかけていた梯子をかけてスルスルと上りました。