Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Leggi 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 262.120 caratteri · 516 schermate
この時分、万字楼の前で、十余人の茶袋がみんな刀を抜いて振り廻し、多数の弥次馬がそれを遠巻きにして、一人残さずやっつけろと叫んでいる光景は、かなりものすさまじいものでありました。
その最中、取巻いた群集の後ろで不意に二発の鉄砲が響きました。それと共に哄の声を上げて一隊の歩兵が――どこに隠れていたものか知らん、刀を抜いて群衆の後ろから無二無三にきり込んで来たので、吉原の廓内が戦場になりました。
酒宴半ばにこの騒ぎを聞いた神尾主膳は、さすがに安からぬことに思いました。
そこへ、主人が飛んで来て、
「ごらんの通りの始末でございます、お客様に万一のお怪我がありましては、申しわけのないことでございます、何卒、この間にお引取り下さいますよう、御案内を申し上げまする。あれは歩兵さん方でございます、はじめに参りましたのが土屋様のお邸の歩兵さん、あとから鉄砲を持って参りましたのが西丸の歩兵さん、今にもこれへ押上って参ることと思います、お腰の物、お懐中物、残らず次へ持参致させました」
「小癪にさわる奴共」
とおこったけれども、彼等を相手に争う気にもなれません。
こうして避難させられたお客は神尾主膳だけではなく、この夜、万字楼に登った客は、いちいちこうして避難させられました。