Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

Leggi 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 262.120 caratteri · 516 schermate

Aozora Bunko

こうして屏風の上から暫く眺めて唸っていた米友は、思い出したように炉の近いところへ来て火を焚きつけました。

「チェッ」

火がよく焚きつかないで舌打ちをしました。ようやく火が燃え上った時分に米友は、ぼんやりとその火をながめていました。しばらくぼんやりと火をながめていた米友が、また急に思い出したように立ち上って、流し元へ行って、二升だきの鍋をさげて来ました。鍋の中には昨夕のうちにしかけておいた米があります。

その鍋を自在鍵にかけて米友は、またぼんやりして鍋を見つめました。せっかくの焚火が消えかかるのに驚いて、また慌てて薪を加えました。再び盛んに燃え上る火の前に米友は、またぼんやりとして、その火の色と二升だきの鍋の底とを見つめていました。

そのうちに火が威勢よく燃えて、鍋の中の飯が吹き出すと、米友は慌てて鍋の蓋を取って、またその鍋を見つめて、ぼんやりとしていました。その時屏風の中で寝返りの音がして、さも苦しそうに呻く声がしました。その声に驚かされた米友は、眼をギョロギョロさせて屏風の方を見返りました。

「眼の見えない者を斬った!」

屏風の中の人は、夢か、うつつか、こう言った言葉に思わず身ぶるいして、