Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
奇譚 銭形平次 「銭形平次捕物控」傑作選
野村 胡堂
Leggi 奇譚 銭形平次 「銭形平次捕物控」傑作選 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 31.249 caratteri · 62 schermate
源左衛門は首をうな垂れました。
「では妻恋坂まで四半刻(三十分)もかかったのは?」
「ブラブラと歩いたのだ。が、それは言いわけになるまい。よし、何よりの申開き、あの窓の外から、蔀の隙間に槍を突込んで、この私を刺せるものか、親分が自分で試してみてはどうだ。――私も少しは槍の心得があるが、人間業でそんなことは出来るものでない」
「――」
「蔀の隙間から、壁際までは二間半、槍の長さも二間半、――人間の身体は朱を盛った皮嚢のようなもので、突けば間髪を容れずに血が流れる、お駒は床の向う側で突かれて、此方へ転がって来たのでないことは、誰が見てもわかる」
「――」
「さア、親分、蔀の向うから、ここをひと突きに、物は試しだ」
平松屋源左衛門は、壁際の死骸の側に並ぶと、自分の襟をはだけて、しずかに平次の出ようを待つのです。
「いかにも、これはあっしの負けでした」
平次は潔く兜を脱ぎました。二間半長柄の大槍で、三寸の狭い隙間から、少なくとも二間以上離れている人間を突けるわけはなかったのです。
「親分、忌々しいじゃありませんか、下手人はあの亭主野郎に決っているのに」
外へ出ると、八五郎は後からついて来て、口惜しまぎれに唾などを吐き散らすのです。