Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

奇譚 銭形平次 「銭形平次捕物控」傑作選

野村 胡堂

Leggi 奇譚 銭形平次 「銭形平次捕物控」傑作選 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 31.249 caratteri · 62 schermate

Aozora Bunko

遠眼鏡の人殺しなんてえのは」

「眼鏡で叩き合いをやったわけじゃありませんよ。こういうわけで――」

「――」

「四谷伊賀町に、三千石の大身で伊賀井大三郎様という旗本がありますがね、無役で裕福で、若くて好い男で、奥方がみっともなくて、道楽強いと来てるからたまりませんや」

「まるでお前とあべこべだ」

「その殿様が近ごろ和蘭舶来の素晴らしい遠眼鏡を手に入れ、二階の縁側から、あちらこちらと眺めるのを楽しみにしていた――というのがことの起りで」

「――」

平次も黙ってしまいました。話がどうやら重大らしくなっていくのです。

「その遠眼鏡の中へ、いきなり滅法綺麗な娘の顔が映ってとろけるようにニッコリしたとしたら、どんなもんです、親分」

「俺はそんな覚えはないよ」

「殿様はブルッと身ぶるいして、その晩から寝込んでしまった」

「風邪を引いたのか」

「この道ばかりは銭形の親分でも見立てがつかねえ、――手っ取り早く言えば、恋の病ですよ。三千石の殿様が、町内の小間物屋の娘お君坊に惚れてしまったんだから厄介だ」

「たいそう古風なんだね」

「お君は山の手一番と言われた好い娘ですよ。年は十九で色白で愛嬌があって、色っぽくて、粉細工のように綺麗だ――裏へ出て洗濯か何かして、腰を伸ばして家の中の妹と話をして、思わずニッコリしたところを、二三十間先から遠眼鏡で見た殿様