Classici giapponesi con furigana
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おくさんのいえで
奥さんの家出
国枝 史郎
Leggi 奥さんの家出 (おくさんのいえで) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.851 caratteri · 28 schermate
四
大変悠長ではあったけれど、私達二人は覗いて見た。
四
一つの檻には二羽の七面鳥! まあまあ是は結構である。
一つの檻にはモルモットが一匹! まあまあこれも我慢しよう!
それに続いてちっちゃい箱が――いやいや矢っ張り檻なのであるが、四つ並んで肩を揃えて、兵隊さんのように立っていた。中に這入っている生物が、一つ残らず兎だったので、私は意地にも笑って了った。
「この遊園地の入場者には、兎が大変お気に召すと見える」
だが私は脅かされた。
最後の立派な檻の中に……ナーニ、それとて鳥小屋なのであるが、その鳥小屋に飼われている、夥しい数の鳥を見た時。
「ニ、家鶏! ニ、家鶏!」
神よ! いやさ、悪魔でも呼ぶよ! そこには家鶏が飼ってあったのである。珍らしくもない普通の家鶏が!
「この遊園地の入場者には、家鶏さえ見世物になるものと見える。尤も」と私は自答した。「そうはいっても家鶏という鳥は、随分立派な鳥だからな。……ただ何処にでも沢山いて、小憎らしい程卵を産んで、毎朝毎朝鬨の声を上げて、平凡主義を発揮するので、それで珍重されない迄さ。大量製産的の鳥であり、高踏派的の鳥で無いからさ、それで珍重されない迄さ。