Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ようちゅう

妖虫

江戸川 乱歩

Leggi 妖虫 (ようちゅう) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 120.290 caratteri · 239 schermate

Aozora Bunko

「サア、そっちを向くんだ。そして、あんよは上手と」

肩を掴んでねじ向けられると、もうそのままにしている外はなかった。

忽ち背後に悪人の走り去る跫音が聞えた。そして、二三間隔った声で、

「精々用心したまえ」

という捨白が、囁くように聞き取れた。

殺人鬼は、今まで考えていたよりも、数倍も恐ろしい奴であった。守青年が今夜殺人現場を見せつけられたのは、偶然ではなかったのかも知れない。悪魔はそれをちゃんと予知していて、彼の所謂餌食の料理法を、態と見せびらかしたのかも知れない。すると、レストラン・ソロモンでの邂逅も、密談も、凡て悪魔の計画の内に含まれていたのだろうか。

守は悪人の跫音が聞えなくなると、性懲もなく又跡を追おうとしたが、その横町は一度大通りからそれると、まるで迷路のように入組んだ細道になっていて、その上軒燈もない真暗闇なので、出来るだけ歩き廻って見たけれど、青眼鏡の行方をつきとめることは全く徒労に終った。

彼は仕方なく大通りに引返し、空車の通るのを待って、家に帰ったが、その途で、さい前の派出所へ立寄って、金杉での、恐ろしい出来事を報告するのを忘れなかった。