Classici giapponesi con furigana
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つまのざ
妻の座
壺井 栄
Leggi 妻の座 (つまのざ) di 壺井 栄 (つぼいさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 82.695 caratteri · 165 schermate
しかしミネがイビキを気にしだしたのは、閑子にそのくせがあるという野村からの手紙をうけとってからのことだ。その手紙をみてミネは水をかぶったときのようにぞくっとした。心臓にこたえるようなそれは寒気だった。閑子がイビキをかく――。野村の手紙には「私も今までは好きになれぬという以上の言葉はつつしみましたが、本当は閑子さんがこわいのです。閑子さんのイビキをききながら布団をうちから押えつけてまんじりともしなかった夜も一と晩二た晩ではありません。たぶん私との性格の相違でしょうが、ご姉妹ではあっても異性でなければわからぬところがあるかもしれません――」そんな風にかかれていた。そのときミネはいつも一つの部屋で並んでねる正子にそっと聞いた。
「叔母ちゃん、イビキかくかい。」
「うん、ときどきね、でもこの頃はめったにかかないわ。」
「ほんと?」
「ほんとよ、うそなんかいわない。」
「ふーん。」
ミネは考えこんだ。そういえばまだ野村の家にいるとき、肩をはらしてはその度にあんまを買いにきていた閑子は、昼間でもイビキをかいてねむった。「叔母ちゃんつかれたのね。」と、正子でさえそれを疲れのせいのようにいったのを思い出す。