Classici giapponesi con furigana
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たぬきじる
完本 たぬき汁
佐藤 垢石
Leggi 完本 たぬき汁 (たぬきじる) di 佐藤 垢石 (さとうこうせき) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 133.158 caratteri · 273 schermate
と言う。
趣味は、鵞鳥の追い回しから七面鳥へと移っていった。茶坊主に命じて町の鳥屋に七面鳥の上納を仰せつけさせた。
ところが、折り悪しく鳥屋の手許に七面鳥がなかったので、その旨申しあげると将軍は甚だ不機嫌であった。一度ほしいとなると訳など申しあげても止まるものではない。
『天下を分けて、捜してまいれ』
そこで、大奥では人手を分けて江戸市中を捜し求めた。ところが、灯台下暗しで、鍋島肥前守斉正の夫人盛姫つまり将軍家定の叔母が、七面鳥を飼っているのを、家来の誰かが聞き知って言上した。
『叔母に直接談判したところで、易々とは手離すまい。よし彼奴を強請るに限る』
と、心をきめてひとりでにやにやとした。そして斉正が登城すると政務などそっちのけで、七面鳥まき上げの談判をはじめた。
斉正にしたところ、いかに自分の女房にしたとこで、承諾も得ないでその愛玩物を差し上げるとは約束をし兼ねる。そこで、
『自分は、生来活き物が嫌いであるから、七面鳥など持っていない』
と、答えた。
『その方、偽りを申すか』
さっと、顔を紅にして腰を立てた。上殿から危うく転び落ちそうになったのを、背後から小姓が袍を押さえた。