Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たぬきじる

完本 たぬき汁

佐藤 垢石

Leggi 完本 たぬき汁 (たぬきじる) di 佐藤 垢石 (さとうこうせき) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 133.158 caratteri · 273 schermate

Aozora Bunko

『これは、下賎の者の口に仕る鱧の皮にて、今宵俄のご宴に、何の用意もなかりし故、内膳司のしまい置きしを調理して奉りました』

公卿は、恐懼に堪えぬままに、こうお答え申し上げたところ、上皇には、いささかのお咎めもなく、さるにても美饌なる哉。これからも、度々、供御に用意せよ。けれど、下々の嗜める鱧の皮とあっては聞こえいと悪し、この日よりこの肴を『待宵の鱠』と命名せよ。と仰せられて、ご機嫌なみなみならずうるわしかったと伝う。

上皇は、孝明天皇にはご祖父宮に当たらせらるる。

お父宮仁孝天皇のお時代、宮中のご窮乏はひとしおであったのである。

宮中の嘉例として、新年の御宴には雉子酒を、参賀者に下し賜わった。雉子酒というは、雉子の笹肉を熱い酒に入れて、賞啖するのであった。けれど、当時宮中において雉子を求めるなど思いも寄らなかったのである。そこでやむを得ず、焼豆腐を雉子の肉の代わりに酒の中へ入れ、雉子酒と謂って賜わった。という話さえあったのだ。

宮中の寄せ鍋

また、主上ご日常の御膳には、鮮鯛を奉ることになっていた。けれど、当時交通不便な京都にあっては、あまりの高価で手もつけられなかった。