Classici giapponesi con furigana
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ほうえいふんか
宝永噴火
岡本 かの子
Leggi 宝永噴火 (ほうえいふんか) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 31.505 caratteri · 62 schermate
私たちの常識は、こういう望みがこの世の中に在るということに対してすら、ひょっとかすれば真面に嘲笑を浴びせてしまうかも知れない。そういう慾を起すものは莫迦か気狂いだ、こう思う骨折りさえ頭脳に課さないで塀に書かれた変った楽書を見過すような気持で、さっさと自分々々の眼の前の仕事に没頭してしまう。だがこうした原始人的の率直な本能慾が、何千年間の常識に打ち壊されないで、今からたった二百年前の同じ人間に一つの根が遺されていたということは、興味のないことではない。けれども根は根である。その上は常識の厚い層の堆積はこの稀有の人間慧鶴の岩次郎でさえ、自分でこの根の真偽を疑って居る。私はそれを当然だと思う。むかしから人間の中にある大きな慾望のいくつかが、常識の厚い層の堆積に堪えられず、遂に腐り果ててしまったことだろう。私は慧鶴のこの疑いを惜しいことのようにも思う。僅かに残ったたった一人の一つの根ぐらい人類の記念に無事に遺して置いてやってもいいではないか。
慧鶴の疑いはこういう筋道で来た。
この若い修道僧は出家の翌年沼津の大聖寺へ移ってそこで修業をしていた。ある日、彼は法華経を人から借りて読んだ。