Classici giapponesi con furigana
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こざくらひめものがたり
小桜姫物語
浅野 和三郎
Leggi 小桜姫物語 (こざくらひめものがたり) di 浅野 和三郎 (あさのわさぶろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 136.097 caratteri · 267 schermate
十八、竜神の話
大体これが岩屋の修行場から山の修行場へ引越した時の実況でございます。現世の方から見れば一片の夢物語のように聴えるでございましょうが、そこが現世と幽界との相違なのだから何とも致方がございませぬ。私どもとても、幽界に入ったばかりの当座は、何やらすべてがたよりなく、又飽気なく思われて仕方がなかったもので……。しかしだんだん慣れて来ると矢張りこちらの生活の方が結構に感じられて来ました。僅か半里か一里の隣りの村に行くのにさえ、やれ従者だ、輿物だ、御召換だ……、半日もかかって大騒ぎをせねばならぬような、あんな面倒臭い現世の生活を送りながら、よくも格別の不平も言わずに暮らせたものである……。私はだんだんそんな風に感ずるようになったのでございます。何れ、あなた方にも、その味がやがてお判りになる時が参ります……。
十八、竜神の話
山の修行場へ移ってからの私は、何とはなしに気分がよほど晴れやかになったらしいのが自分にも感ぜられました。主なる仕事は矢張り御神前に静座して精神統一をやるのでございますが、ただ合間合間に私はよく室外へ出て、四辺の景色を眺めたり、鳥の声に耳をすませたりするようになりました。