Classici giapponesi con furigana
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やまのじんせい
山の人生
柳田 国男
Leggi 山の人生 (やまのじんせい) di 柳田 国男 (やなぎたくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 116.022 caratteri · 226 schermate
山中でもこれに出逢ったという人がそのころは時々あったが、一人でも同行者があると決して来なかったそうである。
また同国中魚沼郡十日町の竹助という人夫は、堀之内へ越える山中七里の峠で、夏の或る日の午後にこの物に行逢うたことがある。白縮の荷物を路ばたに卸して、石に腰かけて弁当をつかっていると、やはり遣ってきたのが髪の長い眼の光る大男で、その髪の毛はなかば白かったという。石の上に置いた焼飯をしきりに指さすので、一つ投げてくれると悦んで食った。そうして頼みはせぬのにその荷物を背負って、池谷村の見えるあたりまで、送ってきてくれたという話である。
そこで改めて考えて見るべきは、山丈・山姥が山路に現われて、木樵・山賤の負搬の労を助けたとか、時としては里にも出てきて、少しずつの用をしてくれたという古くからの言い伝えである。これには本来は報酬の予想があり恐らくはそれが山人たちの経験であった。『想山著聞奇集』などに詳しく説いた美濃・信濃の山々の狗賓餅、或いは御幣餅・五兵衛餅とも称する串に刺した焼飯のごときも、今では山の神を祭る一方式のように考えているが、始めてこの食物を供えた人の心持は、やはりまたもっと現実的な、山男との妥協方法であったかも知れぬ。