Classici giapponesi con furigana
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やまのじんせい
山の人生
柳田 国男
Leggi 山の人生 (やまのじんせい) di 柳田 国男 (やなぎたくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 116.022 caratteri · 226 schermate
一四 ことに若き女のしばしば隠されしこと
大いに怖れ走らんとすれども、体痺れて動かず。其物近づきて人語を為し、汝いづくの者なりやと問ふ。答へて日田といふ。其物、然らば我郷なり。汝伏木の児失せたることを聞きたりやと謂ふ。其事は聞けりと答ふ。其物、我即ち其児なり。其時我今仕ふる所の者より収められて使役し、今は我も数山の事を領せりと謂ひて、懐より橡実にて製したる餅様の物を出し、我父母存命ならば、是を届けてたまはれと謂ふ。何れの地に行きたまふかと問ふに、此より椎葉山に向ふなりと言ひて別れ、それより路無き断崖に登るを見るに、その捷きこと鳥の如しといふ。話は余少年の時小一より聞けり。是れ即ち野人なるべし。」
一四 ことに若き女のしばしば隠されしこと
女の神隠しにはことに不思議が多かった。これは岩手県の盛岡でかつて按摩から聴いた話であるが今からもう三十年も前の出来事であった。この市に住んで醤油の行商をしていた男、留守の家には女房が一人で、或る日の火ともしごろに表の戸をあけてこの女が外に出て立っている。ああ悪い時刻に出ているなと、近所の人たちは思ったそうだが、果してその晩からいなくなった。亭主は気ちがいのようになって商売も打棄てて置いてそちこちと捜しまわった。