Classici giapponesi con furigana
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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
Leggi 山の憶い出 上 (ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)) di 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 284.014 caratteri · 565 schermate
勾配が稍や急になって雪の下から大きな岩の頭が黒く露出しているのが見られるようになる。谷はいつか扇形に開いて、途切れ勝ちの雪が暫く跡を絶つと間もなく別山裏の平に達した。即ち劒沢の源頭である。
この広い盆状の高原は、しっとりと水を含んだこまかい砂地に嫩草が褥を敷いたように生い茂って、如何にも踏み心地が好い。夥しい珍車の白い花がそれへ霰模様を染め出している。草に涵され草を養っている水の集りが中央に二、三の細流を湛えて、雑魚や水すましの群れこそ見えないが、里の小川の俤を偲ばせて、静に山の影を浮べている。岩の多い水涯の湿地には、色丹草の群落が恰も苔でも蒸したかと想われるほどに密生して、黄に紅味のさした一、二寸の細茎に三、四の花梗を抽き出し、五弁の小花を咲き連ねた風情は、五色ヶ原の濃紅な白山小桜や濃紫の千島桔梗の大群落に比して、華かさに於てとても較べものにはならないが、またなく可憐である。此附近から劒の三窓あたりへかけて見られるような色丹草の叢生は、恐らく他にあまり多くは見られない特色であるかも知れぬ。
動くのが厭になって草の上に寝転んでいると、長次郎達は昼食を始めたので早速仲間入りをする。