Classici giapponesi con furigana
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いけぶくろのみせ
山之口貘詩文集
山之口 貘
Leggi 山之口貘詩文集 (いけぶくろのみせ) di 山之口 貘 (やまのくちばく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 44.477 caratteri · 93 schermate
沖縄人のぼくでさえ見も知らぬ遠いどこかの国の話かとおもうようなイメージを唆られるのであった。それが旅行者のたのしみであろうとはおもいながらも、一抹の哀感に襲われてしまうのは決して沖縄人であるからというそのせいばかりではないのである。この男の話を聞いて喫茶店の娘は瞠目しているばかりなのであるが、その眼の前にいるぼくを、沖縄人だと知ったら、どうなることだろうとぼくはおもわずにはいられなかった。ぼくはかねがね、るんぺん生活をなんとか卒業して、この娘に結婚を申し込むつもりの間柄になっていたからなのでもあったのだ。ぼくに「会話」と題する詩があるが、この店のボックスのなかで懸命に書いたものなのである。
会話
お国は? と女が言つた
さて、僕の国はどこなんだか、とにかく僕は煙草に火をつけるんだが、刺青と蛇皮線などの聯想を染めて、図案のやうな風俗をしてゐるあの僕の国か!
ずつとむかふ
ずつとむかふとは? と女が言つた
それはずつとむかふ、日本列島の南端の一寸手前なんだが、頭上に豚をのせる女がゐるとか素足で歩くとかいふやうな、憂欝な方角を習慣してゐるあの僕の国か!
南方
南方とは? と女が言つた