Classici giapponesi con furigana
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やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
Leggi 山彦乙女 (やまびこおとめ) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 126.360 caratteri · 251 schermate
花世には初めての繁華な眺めであった。
「ここはどこ、この橋はなんというの」
駕の中から、すぐ脇に付いている和助に、絶えず質問をしかける。槍持ちの供をつれ、馬に乗った侍などが通ると、あれはどのくらいの身分で、直参か陪臣か、旅へ出るのか、ただの外出か。などと飽きずに追求した。
「あら、これが日本橋、あら、ちょっと駕を停めてみせて」
「どうなさるのですか」
「見てみるのよ、日本橋なんですもの」
「帰りにごらん下さい、唯今はそうしている暇がございません」和助はちょっと厳しく、「それから、もう少しお静かにあそばせ、通行の者にみな聞えてしまいます」
そう云った。すると花世は、彼よりもっと厳しい声で、駕をお停め、と命じた。
駕は停った。
「おろしてお呉れ」
すっかり気を悪くしたらしい、容赦をしない調子だし、その声も少女に似あわず激しかった。駕がおりると、花世はすっと外へ出た。そして、中から敷物を取って、駕の上に置き、その上へ身がるに登って、なんと、横さまに腰を掛けてしまった。
「さあやってお呉れ」
これはゆきすぎであろう、ゆきすぎも程度を越している、といえるかもしれない。