Classici giapponesi con furigana
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やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
Leggi 山彦乙女 (やまびこおとめ) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 126.360 caratteri · 251 schermate
「休んでるんじゃないのかというのさ」
「どう致しまして、休んでたって一つ木の若さまなら」
なをには珍しく、お定りのあいそを云いながら、先に立って二階へあがった。
汗を拭き、浴衣に着替えるあいだも、なをはうきうきした調子で、つかぬようなことを話しつづけた。かつての、淋しげな顔だちが、おどろくほど明るく、活き活きとみえ、大きな身ぶりをしては、しきりに笑った。
――恋人でもできたか、縁談でもまとまったのか。
こう想像した半之助は、いつだったか、彼女が沈んだようすで、
――聞いて貰いたいことがあるのだが、と云ったことを思いだした。
――でもこの次にしましょう。
そんなふうに、自分ですぐうち消したが、そのときすでに、恋人ができるとか、縁談があるかして、相談をしかけたのではないか。半之助はこう思ったので、
「ばかに嬉しそうだな」と、彼もまた珍しく軽口をきいた、「いつか話したいことがあると云っていたようだが、なにかいいことがあったとみえるな」
「あら、覚えていて下すったんですか」
なをは半之助の脱いだ物を片づけながら、しなをつくるように横眼で見た。
「やっぱり情があるわね、若さまは」