Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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やまびこおとめ

山彦乙女

山本 周五郎

Leggi 山彦乙女 (やまびこおとめ) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 126.360 caratteri · 251 schermate

Aozora Bunko

「このくらいはしかたがないさ、恋文をみせたり、熱烈なところを聞かせたり、しまいにはあっさり嫁にゆかれて、三銭くらいのねうちしかないようなこころもちになったまで」

「ああ待った、それを」

主馬は慌てて手を振った。

「そこまで云うことはない、そういう感想はその場かぎり忘れて呉れるもんですよ」

「それで、そのしほ女がどうかしたのか」

「どうも三銭のねうちというやつを覚えていられると、ちょっと話しにくくなるんだが、ま、思いきって話してしまいますがね、こいつは出鼻を挫かれたかな」

主馬はさらに三杯、たて続けに飲んだ。

「まず、ずばりと云うが、そのしほ女が現われたんだ」

「――新町へか」

「さよう、拙者の家へだ」

半之助はじっと相手を見た。

「さっき、つい今しがたと云ったようだな」

「ひと足ちがいで帰った」

「それについてふしぎはないと思うがな、彼女は青山家の遠縁に当るんだろう」

「むろんその点にふしぎはないさ、そういう意味ならこれまでにも、三度ばかり来たことがある、今日のは違うんだ、云ってしまうがね」彼は膝へ手を置いて、「しほ女はおれのところへ、結婚の承諾に来たんだ」

「――ほほう、……」