Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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やまびこおとめ

山彦乙女

山本 周五郎

Leggi 山彦乙女 (やまびこおとめ) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 126.360 caratteri · 251 schermate

Aozora Bunko

四

それほどその執着は激しく、狂的なものであった。そして、やがてまた家をとびだし、ついに行方知れずになったのである。そしてかんば沢へはいった、ということは慥からしいが、そのほかのすべては不明のまま、死躰さえ発見することができなかった。

「なにかがあった」半之助は、こう呟きながら、雨雲の低く垂れた空を見あげた、「しかも尋常なものではない、叔父はそれを恐れた、それに惹かれる自分をも恐れた、たぶん、そこへゆけば自分が破滅することを知っていたのであろう、にも拘らず、やはりそこへゆかずにはいられなかった」

どこかへずるずると、ひき込まれるような気持で、しばらく空を見まもっていた半之助は、やがて立って、叔父の遺品の包を取りに、納戸へはいっていった。

四

それからまる三日、彼は叔父の遺したものを、たんねんに読み耽った。

雨は少しもやまず、低い湿地のほうは、池のように水が溜まり、きれいに鋤き返した斜面の土は、端から崩れだして、土止めをしても防ぎきれなくなった。村野市造は、小者や人足をさしずして、しきりに水排けのくふうをしていたが、土地が柔らかいのと、雨がやまないのとで、結局どうにもならなくなったらしい。