Classici giapponesi con furigana
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やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
Leggi 山彦乙女 (やまびこおとめ) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 126.360 caratteri · 251 schermate
、といったぐあいですからね、これではうっかり歩くわけにもいかないでしょう」
「そうね、それはそうだわ」
花世は当惑したように頷き、喰べ終った箸を置いて、なにか考えるような、眼つきをした。そして急に、たいそうなことでも思いついたように、そうだわ、と云って手を打ち合せ、好奇心に満ち満ちた表情で、じっと半之助の顔を見あげながら、「いつもいつも忘れてしまうんだけれど、あなたのお名前も、どこから、どういうわけがあって、こんなところへいらしったかも、乙女はまだなんにもうかがっていませんわね」
「それを云う暇があったでしょうか」彼はからかうように花世を見た、「話すのはいつも貴女ひとりで、私にはなにも云わせて呉れなかったでしょう」
「あらいやだ、乙女はそんなにお饒舌りじゃございませんわ、それは少しはお饒舌りもするけれど、だって信之助さまはいつもお淋しそうにしていらっしゃるし、ええ、ほんとうに辛いほどお淋しそうだわ、いつも」
彼女はまたしても違う名で彼を呼んだ。そのときそのときで、思いつくままの、好きな名で呼ぶのが癖である。もう十遍くらいも、変った名をつけられたが、半之助にはむしろ、それが好ましくさえあった。