Classici giapponesi con furigana
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やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
Leggi 山彦乙女 (やまびこおとめ) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 126.360 caratteri · 251 schermate
省略していうと、信玄が勝頼によって武田氏の亡びることを予断し、やがて再興をはかる者のために、伝来の白旗や、兜や、宝玉黄金などを巨大な石棺におさめて、どこかへ隠してある、というのであった。
「まさかそんなことが、まじめに信じられているのではなかろう」
「それがまじめなんですね」
叔父はもう少し酔って、赤い顔になっていたが、どこかしらいつもと違って、ねばねばするような表情があった。
「またそれについて、それと関係があるんじゃないかと思う話があるんですよ、こいつは石棺なんぞより、はるかに物語めいているんですがね」
それが「かんば沢」のことであった。
甲府から西へ六里ばかり、巨摩郡の甘利郷という山間の村に、「みどう」と呼ばれる地主の屋敷がある。おもてむきは単なる百姓の地主で、べつに苗字はなく、代々の主人は清左衛門という。年貢帳などでみると、さしたる地所持ちではないし、かつて庄屋とか戸長とかいう役を勤めたこともない。しかし近郷一帯の住民から、ひじょうに尊敬されている。みどうとはどういう意味であるか、おそらく「御堂」と書くのではないかと思うが、その家族の者が通ると、住民たちは土下座もしかねないくらいで、それが殆んど、巨摩郡ぜんたいにわたっている。