Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
あらし
嵐
島崎 藤村
Leggi 嵐 (あらし) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 54.007 caratteri · 108 schermate
やがて次郎は番町の先生の家へも暇乞いに寄ったと言って、改まった顔つきで帰って来た。餞別のしるしに贈られたという二枚の書をも私の前に取り出して見せた。それはみごとな筆で大きく書いてあって、あの四方木屋の壁にでも掛けてながめ楽しむにふさわしいものだった。
「とうさん、番町の先生はそう言ったよ。いろいろな人の例を僕に引いてみせてね、田舎へ引っ込んでしまうと画がかけなくなるとサ。」
と、次郎はやや不安らしく言ったあとで、さらに言葉を継いで、
「それから、こういうものをくれてよこした。田舎へ行ったら読んでごらんなさいと言って僕にくれてよこした。何かと思ったら、『扶桑陰逸伝』サ。画の本でもくれればいいのに、こんな仙人の本サ。」
「仙人の本はよかった。」と、私も吹き出した。
「これはとうさんでも読むにちょうどいい。」
「とうさんだって、まだ仙人には早いよ。」
「しかしお餞別と思えばありがたい。きょうは番町でいろいろな話が出たよ。ヴィルドラックという人の持って来たマチスの画の話も出たよ。きょうの話はみんなよかった。それから先生の奥さんも、御飯を一緒に食べて行けと言ってしきりに勧めてくだすったが、僕は帰って来た。