Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こうせつきょうほうずえ

巷説享保図絵・つづれ烏羽玉

林 不忘

Leggi 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 365.120 caratteri · 728 schermate

Aozora Bunko

「こしゃくな!」

気合いとともに、無念流引きよせの一手、つつと手もとをおろした。虚をくらった侍、思わずつり込まれて体がくずれる。

そこを!

ざっくり一太刀、帰雁が黒頭巾を割り下げた。

苦もない。今までしゃべっていたやつが、脳漿を飛ばしてそこにころがっている。

死骸をまたいで、守人は帰雁を青眼に影の円陣に立った。さっと輪が開く。手近の一人にいどみかかると、たじたじとさがって溝板をはね返した。

そのすきに、守人は走り出した。懲りずまに、人影が一団となって追って来る。

しかし、それもだんだん遠のいたようなので、守人は駈けながら懐紙で刀をぬぐって鞘に納めて、それでも、大事を取って、雨を衝いて一散に急いだ。

気がついてみる、ここは橋場の浄徳寺門前だ。

道路に一すじ赤っぽい光を投げて、まだ一軒の煮売り屋が起きている。

めし、有合せ肴――野田屋と書いた油障子をあけた守人、

「許せよ」

ずいとはいり込むと、客が一人、酒樽に腰を掛けて、老爺を相手に盛んに弁じ立てている。

「どうも今夜ってえ今夜こさあえれえ目にあったよ」

これが例の御免安兵衛だ。野郎、こんなところに神輿をすえて、だいぶきこしめしているとみえる。