Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Leggi 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 365.120 caratteri · 728 schermate
「何がってお前、向島まで、いもしねえ人を尋ねて行ったんだ。辻善六なんて名はどこをきいてもありゃあしねえ。おかげでずぶぬれよ。ちっ、馬鹿を見たの何のって――」
とそこへ、守人の侍姿が眼にはいったので、安兵衛、恐縮して黙りこんだ。
狭い土間、守人は気軽に、安とならんで腰をおろして、蒼白くほほえんでいる。
お愛想ぶりにちょっと行燈をかき立てて、注文の小皿盛りと熱燗を守人の前へ置いてから、老爺はまた安へ向かって、
「向島はどこへ行きなすったい」
「六阿弥陀よ」
と調子づいた安兵衛、
「ねえ旦那」と今度は守人へ、「あっしゃあどうしても旦那に聞いてもらいてえことがあるんだ。この雨の中をいってえどこへ行って来たとおぼしめす? 向島六阿弥陀! いや全くのはなしでさあ。まったくの話」
くどいのは酔漢の癖。老爺ははらはらしている。
「そうか。それは気の毒だったな」守人はくだけて出て、「貴様だいぶいける口と見える。まあ一杯やれ」
「へえ。ありがとうございます。どうも旦那を前にしていうのは気がさしやすが、お侍さんにしちゃさばけたお方で、お若えのにえれえ。見上げたもんだ」
「うむ。面白い奴だな。