Classici giapponesi con furigana
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へいぼん
平凡・私は懐疑派だ
二葉亭 四迷
Leggi 平凡・私は懐疑派だ (へいぼん) di 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 81.548 caratteri · 161 schermate
通されたのは二階の六畳の書斎であったが、庭を瞰下すと、庭には樹から樹へ紐を渡して襁褓が幕のように列べて乾してあって、下座敷で赤児のピイピイ泣く声が手に取るように聞える。
私は甚く軽蔑の念を起した。殊に庭の襁褓が主人の人格を七分方下げるように思ったが、求むる所があって来たのだから、質樸な風をして、誰も言うような世辞を交ぜて、此人の近作を読んで非常に敬服して教えを乞いに来たようにいうと、先生畳を凝と視詰めて、あれは咄嗟の作で、書懸ると親類に不幸が有ったものだから、とかいうような申訳めいた事を言って、言外に、落着いて書いたら、という余意を含める。私は腹の中で下らん奴だと思ったが、感服した顔をして媚びたような事を言うと、先生万更厭な心持もせぬと見えて、稍調子付いて来て、夫から種々文学上の事に就いて話して呉れた。流石は大家と謂われる人程あって、驚くべき博覧で、而も一家の見識を十分に具えていて、ムッツリした人と思いの外、話が面白い。後進の私達は何の点に於ても敬服しなければならん筈であるが、それでも私は尚お軽蔑の念を去る事が出来なかった。で、終局に只ほんの看て貰えば好いように言って、雑誌へ周旋を頼む事は噫にも出さないで、持って行った短篇を置いて、下宿へ帰って来てから、又下らん奴だと思った。