Classici giapponesi con furigana
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へいぼん
平凡・私は懐疑派だ
二葉亭 四迷
Leggi 平凡・私は懐疑派だ (へいぼん) di 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 81.548 caratteri · 161 schermate
ポチは朝起だから、もう其時分には疾くに朝飯も済んで、一切り遊んだ所だが、私の声を聴き付けると、何処に居ても一目散に飛んで来る。
これで私の機嫌も直る。急に現金に莞爾々々となって、急いで庭へ降りる所を、ポチが透さず泥足で飛付く。細い人参程の赤ちゃけた尻尾を懸命に掉り立って、嬉しそうに面を瞻上る。視下す。目と目と直たりと合う。堪まらなくなって私が横抱に引ン抱く。ポチは抱かれながら、身を藻掻いて大暴れに暴れ、私の手を舐め、胸を舐め、顋を舐め、頬を舐め、舐めても舐めても舐め足らないで、悪くすると、口まで舐める。父が面を顰めて汚い汚いと曰う。成程、考えて見れば、汚いようではあるけれども……しかし、私は嬉しい、止められない。如何して是が止められるもんか! 私が何も好い物を持っているじゃなし、ポチも其は承知で為る事だ。利害の念を離れて居るのだ、唯懐かしいという刹那の心になって居るのだ。毎朝これでは着物が堪らないと、母は其を零すけれど、着物なんぞの汚れを厭って、ポチの此志を無にする事が出来た話だか、話でないか、其処を一つ考えて貰いたい。
理窟は扨置いて、この面舐めの一儀が済むと、ポチも漸と是で気が済んだという形で、また庭先をうろうろし出して、椽の下なぞを覗いて見る。