Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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げんじゅつてんまたろう

幻術天魔太郎

野村 胡堂

Leggi 幻術天魔太郎 (げんじゅつてんまたろう) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.616 caratteri · 90 schermate

Aozora Bunko

犬、猿、雉子

よみきかせる罪状もそこそこ、阿曾倉監物手をあげてさしずすると、たすき十字の首切役人が大刀を横がまえに、そのうしろにたちます。

「それッ」

いまぞ最後とふりかぶった一刀、またもまきおこる砂塵、しばらくそのしずまるのをまって、見なおすと、

「や、や、猿!」

土壇場にすえられた泉田筑後が、いつのまにやら、一匹の大猿とかわっているではありませんか。

犬、猿、雉子

伝馬町の大牢から、小塚ガ原の刑場から、しゅびよく救いだされたお城大工棟梁泉田筑後と、その内儀(妻)の操は、おおぜいの番頭、小僧、職人たちをくわえて総勢十五人、船頭権六の船で神奈川におくられ、そこでめいめいのしたくをととのえ、丹沢山のかくれ家へと、二人三人ずつ、人めにたたぬ旅をつづけることになりました。

その中で、駿河太郎の天魔太郎と、その妹の月子は、大願成就のために、百人のいのちをすくう望みにもえて、江戸にふみとどまることになり、泉田筑後の娘お千代までが、

「私も江戸にのこっていいでしょうね、お母さま。駿河太郎さまへのご恩がえしに、月子さんといっしょに、なんかのおてつだいをいたします」

と、勇ましくもいうのです。