Classici giapponesi con furigana
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きゅうどうちゅうそでん
弓道中祖伝
国枝 史郎
Leggi 弓道中祖伝 (きゅうどうちゅうそでん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9647 caratteri · 19 schermate
しかも二人に頼まれてござる。味方するよう頼まれてござる。拙者も武士頼まれた以上、不甲斐なく後へは引けませぬ。……そこで箭一本参らせる。引かれればよし引かれぬとなら、次々に箭を参らせる」
云い終わると箭筈を弦に宛て、グーッとばかり引き絞った。狙いは衆人の先頭に立ち、槍を突き立て足を踏みひらき、鹿角打った冑をいただいている、その一党の頭目らしい――すなわち恩地雉四郎の、その冑の前立であった。弦ヲ控クニ二法アリ、無名指ト中指ニテ大指ヲ圧シ、指頭ヲ弦ノ直堅に当ツ! 之ヲ中国ノ射法ト謂フ! 正次の射法はこれであった。満を持してしばらくもたせたが「曳!」という矢声! さながら裂帛! 同時に鷲鳥の嘯くような、鏑の鳴音響き渡ったが、源三位頼政鵺を射つや、鳴笛紫宸殿に充つとある、それにも劣らぬ凄まじい鳴音が、数町に響いて空を切った箭! 見よおりから空にかかった、遅い月に照らされて、見えていた恩地雉四郎の、鹿角の前立を中程から射切り、しかも箭勢弱らずに、遥かあなたに巡らされている、築土の塀に突き刺さった。
ド、ド、ド、ド――ッという足音がして、この弓勢に胆を冷やした、あばら組三十五人は、一度に後へ退いた。