Classici giapponesi con furigana
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ふくいんさつじんじけん
復員殺人事件
Leggi 復員殺人事件 (ふくいんさつじんじけん) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 96.621 caratteri · 195 schermate
「日記帳の話を誰に洩らされたのですか」
「私は誰にも洩らしません。又、兄さんも洩らしたようには思われません。なぜなら、私だけよびよせて、ひそかに托したのですから。けれども、一つ思い当りますのは、その晩は出征前夜で、兄さんは酔っ払っておりましたので、内密話のくせに、声が高かったこと、もう一つ、兄さんが、毎日、日記をコクメイにつけていたということは、家内中誰知らぬ者がなかったのです」
「何とか伝の何章とかいう文句は、なんの咒いの文句だい?」
定夫は妹に向って噛みつくように、きいた。美津子は答えようとしなかった。やゝ長い沈黙の後、巨勢博士がつぶやいた。
「人を見る、それは樹の如きものの歩くが見ゆ。という文句なんですがね。さアてね。余は犯人の姿を見たという謎ですか、どうか。それ以外に、考えようがないのかも知れませんな」
「フン」
定夫は呟いたが、そのふてぶてしそうな見せかけに拘らず、内心の驚愕は大きいようであった。そして、何かを、とりとめなく疑りだしてキリがないという様子でもあった。
「オレはとにかく、今夜からは、サクラ拳闘クラブへ居候の合宿だ。何が何だか知らないが、丹下左膳現代版は、どうも、胸騒ぎを、させやがるよ」