Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ふくいんさつじんじけん

復員殺人事件

坂口 安吾

Leggi 復員殺人事件 (ふくいんさつじんじけん) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 96.621 caratteri · 195 schermate

Aozora Bunko

「それでは久七をつれてきたまえ」

久七は体格の立派な、見るからに力の強そうな若者であった。ツギハギだらけの国民服をきている。

「どうだな。久七。昨夜は漁があったかな」

と、大矢捜査主任がきいた。

「いけませんや。ちかごろは不漁つゞきでさア。イカが五貫目チョッピリときてやがらア」

「シケでも一晩ザッと千五百円なら、たいしたもんじゃないか」

「笑わしちゃいけませんや」

「どこで釣るんだ」

「早川が不漁ですから、ちかごろは、米神の方へのしてますが、どこへ行っても、いけませんや」

「お前は毎朝七時ごろ戻ってくるそうだな」

「舟をあげるのは五時半か六時ごろですがね。品物の処分をつけてきますから、まア、だいたい、七時ごろ家へ帰ってきますよ」

「今日はどうしておそかったのだ」

「アハハ。おいでなすったな」

久七はニヤリとした。

「ボクはうるさいことがキライなんですよ。ここのウチになにかあったと聞きましたから、こいつはイケナイと思いましてね。一晩夜釣りにでゝごらんなさい。わかりますから。夜が明けると、ねむたくって、やりきれませんや。百円の魚を五十円に売っても、はやく眠りたいと思う時があるもんですよ。