Classici giapponesi con furigana
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ふくいんさつじんじけん
復員殺人事件
Leggi 復員殺人事件 (ふくいんさつじんじけん) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 96.621 caratteri · 195 schermate
「精神的に常人ではないというワケですな」
「まア、そうです。常人ではないと云う方が妥当ではないかという程度でですな。常態か異常か、専門家によっても大いに論議のあるところかも知れませんが、私はその方の専門ではありませんから、なんとも断定はしませんが、まア、異常と見るのが穏当のように思いますな」
一応の注意を与えられて、一同は美津子の病室へ案内された。
九死に一生を得た病人とは思われない。さすがに蒼ざめてはいるが、頬にウッスラと赤みもさして、一夜の苦悶にやつれたという跡もすくない。椅子にかけて応接することも不可能ではないそうだが、ねたままで答えてもらうことにする。まったく院長の注意が信じられないほど、病人らしいところが少く、常態にちかいものに見えた。
「どうも、大変なことでしたな」
大矢捜査主任は、相手が可憐な娘であり、病床にいることでもあるから、大いにクダケて、
「どうして、また、二杯もココアをおのみになったんです。あんなにお砂糖をダブダブ入れて。何バイお砂糖を入れたか、覚えていますか」
美津子はそれには答えなかった。みんなの顔をグルグル見廻して、うしろの方に巨勢博士を認めると、ものうそうに身動きして、起き上ろうとした。