Classici giapponesi con furigana
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あやしのやかた
怪しの館 短編
国枝 史郎
Leggi 怪しの館 短編 (あやしのやかた) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 81.915 caratteri · 165 schermate
「志賀山初という名人が近年まで生きておりましたが」
「どんな様子の女だったね?」
「なかなか上品のお婆さんでした」
「それじゃその人かも知れないな……俺は三度まで逢ったんだがね。それもいつも往来でね」
「それで、何んですか、ご前とは、何か関係でもございましたので?」
「あるといえばあったようなもの、ないと云えばなかったようなものさ……ところで、初というその老女はどんな具合に死んだかな? 往来の上で野倒れ死にかな?」
「まさかそんな事もありますまい」女将の返辞は平凡であった。
明治三十一年の十二月十九日に彼は死んだ。眼を瞑じる時こう云ったと看護のある人が公開した。
「いよいよ俺ももういけねえ」と。これは恐らく聞き違いであろう。彼は恐らくこう云ったのであろう。
「いよいよ俺ももう聞けねえ」と。鼓が聞けないと云ったのであろう。
姓は、勝。通称は、麟太郎。そして号は海舟であった。