Classici giapponesi con furigana
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あやしのやかた
怪しの館 短編
国枝 史郎
Leggi 怪しの館 短編 (あやしのやかた) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 81.915 caratteri · 165 schermate
「ほんとも本当、昨夜で十日、きまって参るのでござりましてな……」
こう云って忠蔵は居住いを正し、真っ昼間ながら四辺を見廻し、
「それで家中もうすっかり怖気を揮っておりますので」
「で何かな、その老人は、どこから来るのか解らぬのかな?」
「へい、それがあなた解るくらいなら……」
「そうさな、恐ろしくもないわけだな……でそれでは今日まで後を尾行た事もないのだな?」
「そんな事、かりにも出来ますようなら家内一同夜になるとああまでしょげ返りは致しませぬので……」
本所の七不思議
主馬はちょっと頷いてそれから小声で笑ったが、
「忠蔵、安心するがよいわ。それがし今夜朋輩と参って曲者の正体見現わしてくりょうに」
「どうぞお願い致します」忠蔵は喜んで頭を下げた。
「弓の方は期日までに頼んだぞ」
「それはもう承知でございます」
「化物沙汰に心を奪われ商売の方を疎かにしては商人冥利に尽きるというものだ――それでは今夜参ると致そう」
「よろしくお願い致します」
主馬はそのまま立ち去って行ったがはたして夜になると、朋輩二人を連れ、弓師左衛門の家へやって来た。
左衛門夫婦も挨拶に出て雑談に時を費したがいつもの時刻に近付くと怱々夫婦は引き退り後には主馬と朋輩の武士と忠蔵達が五、六人店を通して土間の見える職人部屋に残っていた。