Classici giapponesi con furigana
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あやしのやかた
怪しの館 短編
国枝 史郎
Leggi 怪しの館 短編 (あやしのやかた) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 81.915 caratteri · 165 schermate
「身不肖ながら狩野宗家、もったいなくも絵所預り、日本絵師の総巻軸、しかるにその作入れられずとあっては、家門の恥辱にござります!」
彼は俄然笑い出した。
「ワッハッハッハッこりゃ面白い! 他人に刎ねられるまでもない。自身出品しないまでよ。……何を苦しんで何を描こうぞ。盲目千人の世の中に自身出品しないまでよ!」
融川はつと立ち上がったが見据えた眼で座中を睨む……と、スルスルと部屋を出た。
一座寂然と声もない。
ひそかに唾を呑むばかりである。
その時日頃融川と親しい、林大学頭が膝行り出たが、
「豊後守様まで申し上げまする」
「…………」
「狩野融川儀この数日来頭痛の気味にござりました」
「ほほうなるほど。……おおそうであったか」
「本日の無礼も恐らくそのため。……なにとぞお許しくだされますよう」
「病気とあれば是非もないのう」
――ちと云い過ぎたと思っていたやさきとりなす者が出て来たので早速豊後守は委せたのであった。――
しかしそれは遅かった。悲劇はその間に起こったのである。
二
ちょうど同じ日のことであった。
葛飾北斎は江戸の町を柱暦を売り歩いていた。