Classici giapponesi con furigana
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こいのでんしちろう
恋の伝七郎
山本 周五郎
Leggi 恋の伝七郎 (こいのでんしちろう) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 29.650 caratteri · 60 schermate
娘あぶなし宵闇の秋
自分の妙案に気をよくして、忠太郎はここでぐっとおちつき、そこにある湯沸しを取って口からじかにごくごくと飲んだ、それから伝七郎の眼をこういう風に覗き込んで、「伝さんは毒を食わば皿までという地口を知ってるか」と云った。地口とくるところが凝っている、伝七郎はきまじめに頷ずいて知っていると答えた。
娘あぶなし宵闇の秋
「この土地をずらかるとなったら打つ手がある」軍師忠太は声を低くした、「それはそのなんとかいう師範のお嬢さん、その人を担ぎだすんだ」「担ぎだす」「おめえの恋は、正真正銘まじりっけのねえきれいなもんだ、そしておめえをこんなどたん場へ追い込んだのも、元はといえばそのお嬢さんのためだろう、おめえがずらかればお嬢さんはどうなる、あのいんちき野郎の銀的の女房になっちまうんだぜ、口惜しくはねえか伝さん」「…………」こちらは熱湯でも飲んだように顔をしかめた、「男の本音でまじりっけなしに惚れたおめえは国を売り、肝腎のお嬢さんは銀的の女房になる、そんなちょぼ一があるかい、おめえが我慢するにしたっておいらが黙っちゃあいられねえぜ」「そう云ったって忠さん、そんなことが」