Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
きょうふじょう
恐怖城 他5編
佐左木 俊郎
Leggi 恐怖城 他5編 (きょうふじょう) di 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 143.735 caratteri · 290 schermate
彼女は叫びながら、吉本に擦り寄っていった。彼女は涙さえ流しはしなかった。あまりに突然な出来事のために彼女はひどく昂奮しているだけで、自分の感情を悲しみにまで持っていくことができずにいるのだった。
7
前額部を割り砕かれて死んだ永峯の死体が取り片づけられると、吉本はすぐに病院に入れられた。
彼の発作的な行動は、この先どんなことをするか分からないからである。――そして永峯と吉本と、一人は死んでいき、一人は病室の中で廃っていった。
死んだ者はそれでいい。永峯の苦悩と恨みと、彼のすべての感情が決して彼の死体のうえに残っているのではないのだから。――彼の残していった感情をもっとも濃やかに鮮明に受け取っておいたのは雅子であった。そういう意味で、雅子はもっとも哀しい恨みの中にあった。そして、雅子はあの時に吉本が最後に言った言葉をよく思い出した。
「自分のいちばんに愛していた人間が、自分の目の前で殺されるのを見詰めているなんて、そしてどうにも応援のしようがないなんて、実際こんなたまらない気持ちはない!」
雅子はその言葉を、あの時は出任せの言葉として、しかも反語的な皮肉な言葉として、ただわけもなく踏みにじってしまったのであったが、いまにして思えば、雅子は胸を抉られるような真理をその中に感じた。