Classici giapponesi con furigana
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きょうふじょう
恐怖城 他5編
佐左木 俊郎
Leggi 恐怖城 他5編 (きょうふじょう) di 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 143.735 caratteri · 290 schermate
「松吉! この花房を曳っ張っていけ!」
喜平は怒鳴った。松吉は戻ってきて正勝から手綱を取った。正勝は寂しそうに項垂れた。
「正勝! てめえはこっちへ来い!」
喜平はそう言って鞭をまたもぴゅっとひと振り振って、母屋のほうへ歩きだした。正勝は訝しそうにして躊躇していた。喜平は後ろを振り返って、またぴゅっぴゅっと鞭を振り鳴らした。
「来いっていったら来い!」
正勝は仕方がなく歩きだした。
6
紀久子はどうしていいか分からなかった。
(困ったわ、困ったわ。あの人がお父さまの前に引っ張っていかれて、お父さまからひどく叱られたら、わたしのあのことを言ってしまいやしないかしら?)
紀久子は恐怖に身を顫わした。いまの場合に正勝が父の部屋へ引っ張っていかれて叱られるということは、紀久子にとって、自分の犯罪の証人が裁判官の前へ引き出されていくのを見るよりももっと苦しかった。紀久子はできることなら、正勝をどうかして父の前へ出したくなかった。正勝の過失を引き受け、正勝の立場に代わり、なんとかして正勝を叱らせたくなかった。
(サラブレッドが怪我をしたのだって、あの人が悪いのじゃなくてわたしが悪いんだもの。