Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きょうふおう

恐怖王

江戸川 乱歩

Leggi 恐怖王 (きょうふおう) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 66.038 caratteri · 133 schermate

Aozora Bunko

「京子さん、これはやっぱりあたり前の米粒だよ。だが、なぜこんなに薄黒いのだろう。君はこれをよくも検べて見なかったのだね」

「エエ、気味が悪くて……」

「この薄黒いのはね、字が書いてあるんだよ。米粒の表面に、虫眼鏡でも読めない程小さな字が、一杯書いてあるんだよ」

「マア、本当?」

「見てごらん。ホラ、ね、同じ三字の組合せが、何十となく、ビッシリと並んでいるだろう」

京子が覗いて見ると、虫眼鏡の下に、丸太ん棒の様な巨大な指が二本、その間にはさまれて、大瓜程の米粒があった。そして、その表面に、

恐怖王恐怖王恐怖王恐怖王………

とビッシリ黒い字が並んでいた。

「オヤ、恐怖王っていうと……」

京子はギョッとした様に探偵小説家の顔を見た。

「僕の友達の鳥井君に、恐ろしい情死をさせた奴です。あいつ、又こんないたずらをしたんだな。この間は布引照子さんの死骸に『恐怖王』と刻みつけて見せたかと思うと、今度はこれだ。奴め、ひょっとしたら、僕がこの事件に興味を持っているのを感づいたんじゃないかしら」

「マア、怖い! あたしどうしたらいいでしょう。あいつに見込まれたのじゃないでしょうか。