Classici giapponesi con furigana
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あくにんのむすめ
悪人の娘
野村 胡堂
Leggi 悪人の娘 (あくにんのむすめ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.405 caratteri · 27 schermate
「勝手に拾え」
捨ぜりふを後に、何処ともなく姿を隠してしまいました。
「オイいい加減にしろよ、肝腎の玉はずらかったじゃ無えか」
「エッ」
「エッじゃないよ、そんなものに夢中になっちゃいけねえ」
「なる程、これはしくじった」
かき集めた金銀貨紙幣の小山を前に、三四人の子分共は暫らくは顔見合せて立って居ります。
「だがネ、あいつの穴は大概当りが付いたよ」
「ヘエ、どの辺でげすかい」
「お前達はあいつの繃帯で巻いた方の足を見なかったかい」
親分らしいのが、こう申します。
「繃帯の足へでも隠してあるんで?」
「そんな馬鹿な話じゃねエ、あの繃帯の足に、セメントの粉が付いて居たのを見たかてんだ。繃帯の足ばかりじゃ無い、あの若布のようなボロも、よく見ると恐ろしいセメントだ。ネ読めたろう、こりゃ何んだぜ、長い間この辺から吾妻橋へかけて探したのは大間違で、あいつの穴というのは、浅野セメントの近所、清洲橋からあまり遠くない所にあるに相違ねエと睨んだがどうだい」
無頼漢の親分の眼は、ハンティングの下でピカリと光ります。
「なるほど、違えねエ」
これが普通の場合だと横手を打つところですが、何に揮ったか、子分共は互に顔を見合せてしんみり感嘆します。