Classici giapponesi con furigana
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つめ
探偵クラブ 烙印
大下 宇陀児
Leggi 探偵クラブ 烙印 (つめ) di 大下 宇陀児 (おおしたうだる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.509 caratteri · 103 schermate
「ほう、そうかい。そりゃあなるほどいいだろう」
伯太郎には、その時佐々沼の小父さんとママちゃんとが、パパの葡萄酒について、前にも確かに話し合っていたことがある筈だのに、今さら、事珍らしくこういっているのが、何かしら妙に聞えたけれど、彼は、それについて何をいう暇もなく、只、異常に熱心な瞳でもって、博士がそれを飲む口許をじっと見詰めていただけであった。
博士は、何心なくそのコップを唇のところまで持って行ったが、するとどうしたのか、その時にひょいと首を傾げている。
「オイ、変だよ、これア」
「え?」
「何だかね、いつもの葡萄酒とは違うようだ。鼻を刺すような匂いがするよ」
テーブルの上で、カチャリという音がしたが、それは佐々沼進一が、その拍子にフォークを皿の上へ取り落した音であった。フォークを狼狽てて握り直すと一緒に、彼は博士夫人との間に、何か素早い眼交せをした。そして博士は、少しもそれに気附かずに、コップをぐいと夫人の方へ差し出していた。
「嗅いでごらん。どうも変だよ。お前、何じアないか、何かこの中へ入れやしないか」
「え、いいえ、そんなことありませんわ」
「そうかねえ、それならいいけれど、何しろ一寸変なんだ。