Classici giapponesi con furigana
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つめ
探偵クラブ 烙印
大下 宇陀児
Leggi 探偵クラブ 烙印 (つめ) di 大下 宇陀児 (おおしたうだる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.509 caratteri · 103 schermate
――そういえば、この匂いは、どうも何かで覚えのある匂いなんだが――」
博士がじっと考え込んでしまったので、博士夫人は、急に顔を蒼くして、唇をビクビクと顫わせていたが、そのうちにやっと言葉を挟んだ。
「あなた、気のせいじアありません。それ、いつもの葡萄酒に違いないんですよ」
「うん、それはそうだよ。この罎のレッテルだって、半分破れかかっているところが、昨夜も飲んだ奴で覚えがあるんだ。けれども矢張り変な匂いがある」
伯太郎と露子とは、隣り合った椅子に腰かけていたので、この時彼等は、互に、脇腹を頻りに肘で小突き合っていたのであるが、博士夫人は、ふいに不自然なほどの高笑いをした。
「ホホホホホ、まあ、あなた、何をいっていらっしゃるの。これ、何にも匂いなんかある筈がないじアありませんか」
「あるかないか、だってお前嗅いでごらん」
「嗅いでいます。何なら、あたし頂戴してもよくってよ――飲み物の中へ何か入れやアしないかなんて、そんなことをいわれるの、嫌なんですもの」
「うむ、イヤ、お前が何か入れたなんていうんじゃないさ。だが、確かに何か入っているんだ」
「そう、じアね、あたしがお毒見をして見ましょう」